本当の塗色と向き合えますか

2010年12月、JR東日本烏山線で運用しているキハ40 1003をかつての国鉄一般形気動車標準色である朱色4号+クリーム色4号の二色塗色に変更、運用を開始しました。翌2011年にはキハ40 1007も同じく一般形色に変更、運用によっては2両編成の両方とも国鉄色という光景が見られます。


もっとも、キハ40系は落成当初から朱色5号一色のいわゆる「首都圏色」、俗に言う「タラコ色」で登場しており、二色塗りの国鉄一般形色をまとった事は過去にありません*1。このため、鉄道趣味系Webサイトでは「国鉄一般形気動車標準色ふう」といった微妙な表現をする羽目に。


これがキハ40の「本当の塗色」。2010年11月、会津若松にて。

まあ、キハ40自体は一般的な国鉄気動車の車体形状を踏襲しているので、過去にこだわらなければ二色塗りもそれほど違和感はないのですが、2010年9月に185系OM03編成に対して「湘南色」を施した際には、前面の塗り分け線が前照灯のケーシングにまともに被るなど、相当に無茶な感が拭えませんでした。

それにしても、キハ40といい185系といい、こうまでして「なつかしの国鉄色」を再現することの意図は何なのでしょうか。国鉄色に懐かしさを感じる世代であれば、これらの車輌が過去にそのような塗色をまとった事がないことも当然知っているわけで……「こんなの絶対おかしいよ」と突っ込んで欲しいのでしょうか? 若い世代にはかえって新鮮に見えるかも知れませんが、新鮮さを国鉄の遺産に求めるというのも何とも後ろ向きなお話。

いずれにせよ、いろいろな意味で話題には事欠かないことだし、「ネタ」と割り切って突っ込み入れつつ生暖かく見守るのが精神衛生的にも良いのかもしれません。実際、筆者が烏山線を訪れたのもそのネタ性故のことだったわけですし。

ちなみに、2011年に入ってからJR東海までもキハ40・48に国鉄一般形色を施す始末……わけがわからないよ。

*1:キハ40系と同様の前面形状をしたキユニ28は、登場当時二色塗りの一般形色で落成している。